聖書の中には、全ての法律の原点ともいえる「モーセの十戒」がありますが、これは十ヶ条の根源的な戒めです。
その戒めの一つは「殺してはならない」ですが、この戒めがあるゆえ、世界中で、人を殺すことは罪として認識されている、といってよいでしょう。
十戒は重要な戒めの順番に並んでいると判断できますが、「殺してはいけない」の前には、もっと大切な根源的な戒めが書いてあります。
「殺してはいけない」より、もっと大切な根源的な戒めとは何でしょう。
それは「父と母を敬え」です。
これは、あまりに、身近で、単なる道徳のように見えるために軽視している人が多いでしょう。
親との関係が悪かったり、親が威圧的であったり、親から傷つけられたことで、親を軽視する人も少なくありません。
しかし、尊敬できないような両親なら、敬わなくて良いとは書いてありません。
どんな父と母であっても、子供に対して権威を持っています。
これは、子供が生まれた時に与えられた権威です。
親にとっては子供をしっかり育てることが使命であり、使命には権威が伴います。
子供は、親に反発することも多いですが、この親の権威を無視すると大変です。
なぜなら、自分に対して権威を持つ者を無視する人は、自分に与えられている権威を破壊することだからです。
つまり、権威を無視する人には、権威は与えられないのです。
父と母を敬うことは、子供にとって、とても大切な教えです。
その理由は、「父と母を敬え。」の後に書いてあります。
「父と母を敬え。あなたの神、主が与えようとしておられる地で、あなたの齢が長くなるためである。」
これは、父と母とを敬う人は繁栄することを示しています。
自分がいくら成功しよう、幸福な家庭を作ろうと、頑張っても、謙遜になろうと思っても、神とともに歩もうとしても、父と母とを敬ってなければ、的外れの人生となります。
もし、親と和解できてなけば、和解することが、最優先事項です。
たとえ、親から傷を受けていたとしても、親を許していなければ、傷は修復されず、その傷ゆえに健全な歩みの障害になります。
父と母を敬うことは、ある意味簡単なことですが、私たちが見落としている成功、繁栄の秘訣の一つです。
ピンと来ない人も多いと思いますが、もし、あなたと親との関係に問題があるとすれば、親と和解し、敬うことで、その後の人生が大きく改善されることを体験することでしょう。
たとえ、感情的には許せないことがあっても、理性的に許すことができれば、和解の道に導かれるでしょう。
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